メアリと魔女の花について今思うこと
以前私は、メアリと魔女の花のことをさらっと書いた。
だけども今になってふと思う。王道的な児童文学(快活で冒険譚でジュブナイルな物語)で文学的なものを描くのは、きっと晦暗な物語でそれを実行するよりも難しいのでは、と。文学はたぶん日向よりも日陰を好む。
ましてやそんな目に映らぬものを映像化しようとするのだからその難しさは半端ではないのかもしれない。王道さはときとして凡庸になりえる、異端な物語が理解を得られないように。
メアリと魔女の花は、作り手として形式的に作りやすくもあり同時に形式の中に収束するという点で作り難くもあったのではないかと今では思う。彼らは難しいことをやっていたのではないかと、夜に思った。